総領事からの挨拶

令和2年1月1日

新年のご挨拶

武藤顕総領事
南カリフォルニア及びアリゾナの皆様、謹んで令和となって迎える初めての新年のお慶びを申し上げます。

旧年中も在ロサンゼルス総領事館の業務に関し、多大なるご理解とご協力をいただきましたことに、厚く御礼申し上げます。私は着任後、早半年が経とうとしております。本年も、当館として各種サービスの充実、日系企業支援、さまざまな分野での交流促進や発信に取り組んで参ります。皆様のご意見・ご提案をいただきながら、精一杯職責を全うして参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

昨2019年の日本は、新しい時代「令和」の幕開けを迎え、天皇陛下の「即位の礼」が行われるとともに、G20大阪サミットやラグビーワールドカップ等の大型国際行事が開催されました。本2020年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピック大会が開かれます。即位の礼での陛下のお言葉にありましたように、人類の福祉と繁栄に貢献することが我が国の使命であります。また、2020年東京大会の基本コンセプトの一つに「多様性と調和」が挙げられています。これは、東京2020大会を、世界中の人々が多様性と調和の重要性を改めて認識し、共生社会をはぐくむ契機となるような大会とする、という考えに基づくものです。

当館の管轄地域には実にさまざまな民族的文化的背景をもつコミュニティが多く存在し、まさにその多様性と調和が極めて重要です。米国に生活や活動の拠点を置かれている日本人・日系人の皆様におかれても、この多様性を共に祝い、コミュニティ間の調和を深めていく、その重要性を、令和になって初めての新年の初めに思い起こしていただき、「令和」の名にふさわしい、コミュニティ間の調和を育む一翼を担っていただければ幸いです。

日米関係に目を向ければ、2019年5月には、トランプ大統領が令和初の国賓として訪日された他、同年中に5回も日米首脳会談が行われました。両首脳は、日米同盟が史上かつてなく強固であるとの認識を再確認し、日米同盟を今後とも強化していくことで一致しています。 しかしながら、日米両国を取り巻く安全保障環境は、益々厳しいものになっており、日米同盟の更なる発展のために、当地においても一層の努力が求められています。

かつて戦火を交えた日米両国が同盟国となり、現在に至る良好な関係を築くことができたのは、当地で活躍される在留邦人の皆様、日系企業の皆様、日系米国人を含む日系コミュニティの皆様方が長年にわたりさまざまな形で地域に貢献され、揺るぎない信頼を得てきた基盤があるからに他なりません。長年のご尽力に改めて深い敬意を表するとともに、当館として今後もより一層日本とのさまざまな絆を強化していく所存です。特に、若い世代の日米同盟への関心を高めていくことが焦眉の課題です。

経済面での対日関係に目を向けると、南カリフォルニア6郡における日本からの直接投資は第1位、日系企業の雇用数は約8万人との統計があります(2019年公表)。また、南カリフォルニア及びアリゾナに進出している日系企業数は約2,500社あります。日系企業はこれら地域の経済を支える重要なパートナーであり、既に地域社会に大きく貢献されています。しかしながら、現状に満足することなく、さらに貢献を高めていくことが我が国の存在感を下支えしていくことになります。

日本との関係はまた、多くの市民の方々によって支えられています。日本と南カリフォルニア・アリゾナとの姉妹都市提携は、現在44に上ります。2019年には、愛知県名古屋市・ロサンゼルス市、東京都立川市・サンバーナディノ市がそれぞれ60周年を迎えました。これは、2017年に60周年を迎えた神奈川県横浜市・サンディエゴ市、宮城県仙台市・リバーサイド市及び静岡県三島市・パサデナ市に次ぐ歴史の長さを誇るものです。このように、長年にわたって、市民間の活発な交流が行なわれていることは、真に心強いことであり、総領事館としても、これまで以上に市民間交流を応援させて頂きます。 

 本年が皆様にとりまして実り多い一年となりますよう祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
 
2020年 元旦

在ロサンゼルス日本国総領事
武藤 顕