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伊原純一総領事の離任挨拶
  (平成23年8月25日掲載)

 南カリフォルニア、そして、アリゾナの皆様、

3年と4ヶ月の間、在ロサンゼルス総領事として皆様には大変良くしていただき、本当にありがとうございました。いよいよ9月上旬には当地を離れ、日本に帰国することになりました。
この間、あまりにも多くの素晴らしい出会いや、楽しい出来事があったので、感謝の気持ちや自分としての思いを短い文章でここに書き尽くすことは到底できません。個人的には、こちらの日系社会での活動を通じてコミュニティーの大切さを学ぶとともに、いろいろな場面で日米関係が人と人との友情で支えられていること、特に、東日本大震災を機に、たくさんの方々から暖かいご支援をいただき、当地でアメリカ、世界の人々との友情の絆を再認識できたのは、大きな収穫であったと思います。
最後のご挨拶にあたり、総領事として任期中に努力してきたことを以下に取りまとめてみました。これから更に頑張らなければいけない分野もありますが、それは後任者にゆだねたいと思います。
今後とも、総領事館の活動に対して皆様からのご理解とご支援をたまわりますようお願いします。

<邦人保護と在留邦人との関係>
総領事館の基本業務である邦人保護について遺漏なきを期すとともに、在外選挙の適正な実施(皆さん在外選挙人登録をお願いします! 領事出張サービスも実施しています。)に努め、日本人補習授業校の運営を支援した。アリゾナにおいては、モア名誉総領事のご協力も得ながら、在留邦人の皆さんと出来る限りコミュニケーションを図るべく努力した。

<日系社会との関係>
二世週祭をはじめとするさまざまな日系人コミュニティーの活動に積極的に参加するとともに(今年の七夕飾りコンテストでは総領事館は公的部門で優勝しました!)、ベートーベン第9合唱(これには私も一員として参加しました。)やリトル東京デザイン・ウィーク(大成功だったと思います。)のような、その時々の企画についてもできるだけ関与し支援してきた。また、県人会協議会、南加日本商工会議所、オレンジ郡日系協会といった諸団体をはじめ、リトル・東京にとどまらず、トーランス、パサデナ、サンフェルナンドバレーその他近隣の日系コミュニティー、更にはサン・ディエゴ、フェニックスなどに広がる様々な日系グループとの関係を大切にして、そういった地域での主要な行事にもできるだけ参加するようにした。(時間的制約などもあり、十分できなかったところもあります。)

<日本との友好親善諸団体との連携>
日米協会100周年、JBA(南カリフォルニア日系企業協会)50周年、敬老シニアヘルスケア50周年など、長年日本との友好関係やコミュニティに寄与してきた団体の記念事業に協力するとともに、日系米人リーダー招聘プログラムの実施などを通じて米日カウンシルの活動を支援した。(2010年に発足した米日カウンシルは今後ますます重要な役割を果たすことになると思います。)

<日本企業の活動支援と環境等の日本の技術のPR>
JBA会員ほか、当地所在日本企業との協力を基礎にして、加州高速鉄道計画への日本の新幹線売り込みや、ヴェルデエクスチェンジ(当地で環境ビジネス振興を図っているNPO)や日米協会の主催する環境会議などを活用した環境等の日本技術のPRなどに取り組んだ。(残念ながらまだ大きな商業上の成果は上がってきてはいません。しかし、環境関連の投資やビジネスは、南カリフォルニアやアリゾナでは日本企業にとり大きな可能性があると思います。)

<日本食・日本酒・日本食材の普及と輸出振興>
天皇誕生日レセプションをはじめさまざまな機会を捉え、当地のレストラン関係者や食品関係企業の協力を得て、積極的に日本食・日本酒・日本食材の振興を行った。(総領事館以外でもJETROをはじめ様々な関係者が多様な取り組みを行っているので、今後関係者との協力を更に強化してより日本の「食」を広げていくことができれば素晴らしいですね。)

<日本映画・アニメ等を含む日本文化の振興・PR>
伝統的な日本文化の紹介事業に加え、「おくりびと」の2009年アカデミー賞受賞を契機に、映画等の日本のエンターテーメント産業の振興に関して総領事館として何ができるか模索し、公邸等での試写会の実施、アニメ・エキスポへの参加、日本フィルムコミッションへの協力などを実施してきた。(効果のある取り組みは実際にはなかなか難しいです。)また、南カリフォルニアにある美術館・博物館の日本美術関係者を集めた会合を定例化し、関係者のネットワーキングを支援している。

<桜100周年事業と桜祭り振興>
2012年がポトマックの桜が日本から寄贈されて100周年に当たることから、南カリフォルニアにおいても、ハンチントン・ライブラリー・ガーデン(ちょうどその日本庭園が来年100周年を迎えます。)などとの協力の下、多くの公園やコミュニティー団体の参加を得て、桜の植樹と桜祭りを大々的に行うべく準備中。(ロサンゼルス市では来年6月開園予定のシビックパークに桜の植樹を予定しています。)

<日米安保50周年を契機とした友好強化>
サン・ディエゴを中心に、自衛隊練習艦隊寄港にあわせ、米海軍や地元の日系団体(JCCなど)の協力を得て昨年安保50周年友好行事を実施(空母ミッドウェー艦上での式典は素晴らしかったです)。これを機会に、米軍との関係、とりわけ在日米軍経験者との交流の強化に積極的に取り組んでいる。(具体的な交流事業は今後の課題です。)

<他のエスニック・コミュニティーとの関係>
ボイル・ハイツ・プロジェクトは日・イスラエル・メキシコのユニークな3カ国協力として注目を集めた。(これは当地の3総領事が意気投合して始めたものです。ちなみにボイル・ハイツの歴史は大変興味深いです。)そのほか、さまざまな機会を捉え、日本および日系コミュニティーと他のエスニック・コミュニティーとの関係強化に努めている。(今回の東日本大震災では、タイ、ベトナム、インド、韓国、台湾など当地の様々なコミュニティーも支援に立ち上がってくださり、大変感謝しています。)

昨年、ロサンゼルス総領事館では、当地の日米協会100周年にちなんだ多くの文化・交流行事や公邸を活用した日本関連映画の上映会、ゲストをお招きしてさまざまな問題について議論するディスカッション・ブッフェ、日本の食文化紹介事業、環境分野での日本の売り込み、日系コミュニティーと他のアジアやヒスパニック、ユダヤといったコミュニティーとの関係強化、その他たくさんのイベントや企画に取り組んでまいりました。その際、多くの皆さんから多大なご支援とご協力をいただきましたことについて、改めてお礼を申し上げます。
 
 

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