猪瀬加代子 旭日単光章

猪瀬加代子氏は、1941年にアメリカ合衆国カリフォルニア州ロングビーチで生まれた日系3世で、ロサンゼルスのサウス・ベイエリアで育ちました。ガーデナ市での家業を引退してから日系諸団体の活動に一層積極的に参加するようになり、様々な分野で長きにわたりボランティアとして日系アメリカ人コミュニティーの活動に貢献し、日米の友好親善及び米国日系人の交流と米社会における日系人の地位向上に尽力してきました。
猪瀬氏は1980年代から南加日系婦人会の会員として活動に参加し、バザー委員や初の奨学金委員など、さまざまな募金活動や役職を歴任しました。同会の活発な募金活動によって集まった資金は、日系諸団体の活動への助成金として、また、日系青少年への奨学金として寄付され、現在も日系社会の活動を支えており、日系コミュニティーの福利厚生の向上に貢献しています。
同氏は2005年に同会会長に就任し、2008年までの任期中、英語版の会則の作成や非営利奉仕団体ステータスの取得など、米国社会で同会が今後も長く活動を続けていくことができるための諸策を進めました。2014年から2015年まで再度同会会長を務めた際には、新規会員の増員などにイニシアティブを発揮し、同会の組織強化に尽力しました。2014年に同会が創立110周年を迎えた際には、祝賀行事の企画運営の指揮をとり、開催された祝賀会には日系社会をはじめ各界の代表者が多数集い、長きに渡る同会の奉仕活動が再認識される機会となりました。
同氏は、1986年から全米日系人博物館創設の活動に参加し、1987年から1997年までの10年間にわたり評議員会副議長を務め、初代館長の選出の事務的作業、博物館のロゴの選定作業、博物館の定款の作成作業、博物館設立のための募金活動などに精力的に務めました。同氏は、同博物館の創立初期の活動に携わり、同博物館が全米レベルの組織へと発展していくうえでの運営の土台作りに貢献しました。
また同氏は、2002年から2005年まで表千家同門会米国南加支部の事務長を務め、事務面で組織の運営を支えました。2006年には、京都で開催された表千家の30周年記念式典に参加するため、32名のメンバーを率いる訪日団の団長を務め、カリフォルニア特有の茶道具の展示を日本の同門会スタッフと協力して企画運営しました。2012年からは同会の副支部長を務めています。また現在では、自宅に茶室を構え指導にあたっている他、ボランティアで小学生、中学生、高校生が通う日本語学校などでデモンストレーションを行い、次世代の日系アメリカ人に、茶道体験の機会を提供するなど、日本文化の普及・紹介と日米友好親善に貢献しています。
同人は、2009年に日系市民協会からウーマン・オブ・イヤーを受賞。2015年には二世週祭においてパイオニア賞を受賞しています。また、2011年から日米婦人会の理事も務めています。その他にもさまざまな分野で、日系アメリカ人コミュニティーの活動への貢献を続けています。
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