| English

経済情勢 経済 投資経済 投資
header


カリフォルニア州の政治経済動向に関する兒玉総領事講演概要(平成19年1月)



経済情勢
米国の経済情勢
 

米国の経済は、自動車販売の不振と住宅市場の軟化というリスクを負っているものの、全体としては、「穏やかなペースで拡大」しているといわれている。

とりわけ、個人消費については、商務省の発表によると、クリスマス商戦において、薄型テレビや新型ゲーム機が活況であったことから家電の販売が好調であるなど、各種小売り関係の指標は概ね好調だった。その一方で、自動車販売については、日系自動車メーカーが揃って好調であった半面、GMやFordの落ち込みが目立ち、全体的には前年同月比で3.6%減少している。これには、最近落ち着いてきたとはいえ、昨今のガソリン価格の上昇による影響にあるものと考えられる。

 住宅市場については、全米規模での軟調が続いている。地区連銀報告によると、住宅価格は、サンフランシスコ・ダラスの両連銀管轄区で穏やかながら引き続き上昇を示している地域がある一方、全米としては価格が下落している地域が広がっている。また、住宅供給の超過傾向が大きくなり、住宅在庫の水準が上がり、新規住宅着工件数が鈍化している。しかし、その一方で商業用不動産については全米規模で好調な状況が続いており、空室率の低下にも拘わらず新規建築が十分ではなく、オフィス賃貸料が上昇している。

労働市場では需給の逼迫状況が続いており、特にエンジニアリング、機械工、金融、会計専門家に対する需要が大きく増加している。その一方で製造業や配送業における雇用は鈍化しているとの報告もあり、業種による労働需要の違いが見られる。しかし、労働需給の逼迫にも関わらず、賃金上昇率は比較的穏やかなものにとどまっているが、企業にとっては賃金よりも医療保険負担等の福利厚生費の負担を懸念する声が上がっていると言われている。

今年に入って連邦の下院を通過した最低賃金の引き上げ法案について、この引き上げが、雇用の減少等のマクロ経済にどれほどの影響を与えるかという点が注目を集めているが、直接的には大きな影響は与えないだろうという声もある。

その理由としては、今回の引き上げは41%の大幅引き上げではあったが(従来の時給5.15ドルから7.25ドル)、前回最低賃金を引き上げた97年以降、連邦政府が長期間に渡って連邦レベルでの引き上げを行わなかったことから、既に21の州が自主的に連邦のレベルを超えるレベルでの最低賃金法案を別途成立させていること、そのなかにはすでに物価スライド方式を採用している州も少なくないこと、今回の最低賃金の引き上げに併せて、連邦議会の多数を占める民主党が、共和党の一部の議員の主張を入れて、中小企業に対する減税措置をとる方針を固め、既に上院を通過させていることがあげられている。

加州の経済情勢
 

シュワルツェネッガー州知事が提出した来年度の予算案の中の経済報告によると、加州経済は、06年後半から住宅市場と自動車販売の鈍化により失速している。来年度もこれら二つのリスクを負っているものの、全体としては穏やかに成長すると見込まれている。

特に加州の住宅市場について、昨年10月までの新規住宅着工件数は、前年同期間比で21%減少している。同10月までの中古住宅の販売高は、前年同期間比で30%下回っている。

その一方で、個人所得、課税売上、非住宅不動産、公共工事、加州からの輸出などの指標は力強く、今のところ鈍化を見せる住宅市場と自動車販売を補っている。この状況が来年度も続くものと考えられる。

しかし、06年第3四半期の差し押さえ件数が、一昨年の2倍に上るなど、金利の上昇が既に家計や住宅市場に影響を与え始めている。カリフォルニア州経済は、住宅販売や自動車販売など、ローンの借り入れに支えられた消費活動に依存する度合いが強いため、金利の変化に敏感な経済構造にあると言える。このため、今後も金利上昇が続けば、加州経済に大きなリスクとして圧し掛かってくることも懸念される。

加州の財政状況
 

シュワルツェネッガー州知事は先の施政方針演説において、就任当初165億ドルに上る負債を増税することなく削減してきた実績をアピールするとともに、今後も債務削減に向けて努力していく姿勢を示した。

その一方で、昨年に引き続き輸送・治水・教育・治安などの公共インフラに対する包括的な投資を内容とする「戦略的成長プラン(Strategic Growth Plan)」を推進するとともに、環境政策も引き続き推進することを示した。また、加州のヘルスケアシステムが危機的状況にあることから州民皆保険制度の導入を柱としたヘルスケア改革も提唱している。


加州の政治情勢

近年、加州においては民主党が強力な地盤を築いている。 登録有権者数では、民主・共和両党が漸減し、無党派層が増加する傾向にある。

 

民主党

共和党

無党派層

 

登録有権者数(2006年10月)

42.48%

34.33%

18.74%

連邦上院議員(2議席)

2議席

0議席

 

 

連邦下院議員(53議席)

34議席

19議席

 

 

州政府の主要公選職

副知事、州務長官、監察官、財務長官、司法長官

州知事、保険長官

 

 

州上院議員(40議席)

25議席

15議席

 

 

州下院議員(80議席)

48議席

32議席

 

(2006年中間選挙結果)

シュワルツェネッガー州知事の政治姿勢
 

民主党優勢の州議会との協力関係を構築し、教育問題、環境問題等への取り組みや最低賃金の引上げ等、州民の望む政策を精力的に推進し、2006年11月の中間選挙では、民主党候補に10%以上の大差で二期目の当選を果たした。

2007年1月5日に行われた州知事就任式で、二期目においても、単に民主・共和両党が政策を持ち寄ってその相違の妥協点を見出すのではなく、民主・共和両党が積極的に協働して新しい政策を生み出す新しい中道主義(Post-Partisanship・New Centrism)とも呼ぶべき政治姿勢を維持・発展させ、加州が抱える政策課題に対処していくことを鮮明にした。


中間選挙における住民投票結果
 

総額427億ドルに及ぶ公共投資関係の公債発行が全て認められ、カリフォルニアにおける社会資本整備に対する住民のニーズの大きさが明らかとなった。特に交通関係については州債発行の可決のみならず、州交通整備特定財源の使途の厳格化を法制化することが住民によって可決され、交通整備のニーズの高さが示された。

財政の観点からは、州債発行が全て認められたにも拘わらず、たばこ課税、石油課税等の増税案は全て否決されており、増税を否定する州知事の方針とも相まって財政の悪化、中長期的な州民負担の増加が懸念される。

 

プロポジション

概要

結果

1A

加州財政の逼迫を理由として交通投資基金から自動車の燃料に係る売上税を借り入れることについて、3年以内に利子を含め返済するとともに、10会計年度で最大2回までと限定することにより、交通投資基金の保全を図る加州憲法の改正

1B

交通関係インフラの整備を目的とする以下の項目に係る総額199億2500万ドルの起債案
(イ)交通渋滞緩和並びに高速道路及び一般道の改善:112億5000万ドル、(ロ)公共交通機関の改善:40億ドル、(ハ)物流及び大気の改善:32億ドル、(ニ)交通の安全及びセキュリティの改善:14億7500万ドル

1C

住宅及びシェルターの整備を目的とする以下の項目に係る総額28億5000万ドルの起債案
(イ)都市部、公共交通機関周辺及び公園開発プログラム:13億5000万ドル、(ロ)低・中所得者向け住宅所有プログラム:6億2500万ドル、(ハ)低所得者向け賃貸住宅の建設及びリノベーションプログラム:5億9000万ドル、(ニ)農業従事者用住宅、ホームレス用シェルター開発プログラム:2億8500万ドル

1D

公教育施設の整備を目的とする以下の項目に係る総額104億1600万ドルの起債案
(イ)K-12(幼稚園から高校までの教育)に係る教育施設の整備:73億2900万ドル、(ロ)大学教育に係る教育施設の整備:30億8700万ドル

1E

災害対策及び洪水予防を目的とする以下の項目に係る総額40億9000万ドルの起債案
(イ)セントラルバレー洪水コントロール:30億ドル、(ロ)洪水コントロール補助金:5億ドル、(ハ)その他:5億9000万ドル

83

性犯罪を抑制することを目的として、暴力的・常習的性犯罪及び幼児に対する性犯罪について犯罪者の対象を拡大し、刑を加重するとともに、登録性犯罪者が学校、公園の周囲2000フィート以内に居住することを禁止し、性犯罪を未然に防ぐために登録性犯罪者に障害GPSシステムを装着させることを義務づける等を内容とする法律の制定

84

水質改善、安全及び供給、洪水防止、天然資源保護並びに公園整備を目的とする以下の項目に係る総額53億8800万ドルの起債案
(イ)水質改善:15億2500万ドル、(ロ)河川、湖等の保全:9億2800万ドル、(ハ)洪水防止:8億ドル、(ニ)コミュニティ維持、気候変動緩和:5億8000万ドル、(ホ)砂浜、湾等の保全:5億4000万ドル、(ヘ)公園及び自然学習施設の整備:5億ドル、(ト)森林及び野生動物の保護:4億5000万ドル、(チ)州レベルの水供給計画の策定:6500万ドル

85

子供の健康の保護、子供の潜在的な健康に関連するリスクや子供に係る医療判断に関する親又は保護者による情報把握、親又は保護者による子供の保護の促進を目的として、医師が親から独立した未成年者の中絶手術を行う際に、緊急を要する場合等一定の例外を除いて当該医師に対して施術前少なくとも48時間前に妊娠の事実を当該未成年者の親又は保護者に通知することを要求すること等を内容とする加州憲法の改正

×

86

病院における緊急医療、介護教育及び子供に対する健康保険のための資金確保並びに喫煙の抑制及びたばこの販売の規制を目的として、たばこ1本につき13セントの増税を行うことを内容とする加州憲法及び法律の改正

×

87

代替エネルギーの調査及び開発促進を通じて石油の利用を25%減少させるための総額40億ドルのプロジェクトの資金確保を目的として、加州内で採掘される石油の生産者に対して加州で生産される石油1バレルあたりの価格に1.5%から6%の課税を行うとともに、生産者に当該課税額を消費者に転嫁することを禁止することを内容とする加州憲法及び法律の改正

×

88

学級サイズの縮小、教材の充実、学校の安全対策等K-12の教育プログラムのための資金確保を目的として、現在一部の学校区で導入されているParcial Tax(当館注:Property Taxの一種であり、Property Taxに加えて土地の広さに応じて課せられる税)を州の学校区全体に導入(土地1単位あたり50ドル)することを内容とする加州憲法及び法律の改正

×

89

公正な選挙運動を担保することを目的として、公選職(州知事、副知事、司法長官、州務長官、財務長官、監察官、保険長官、教育長、州上下院議員、及び州税公平委員会委員)及びプロポジション案に係る選挙運動の調達資金額の上限を引き下げ、又は新規に設定するとともに、候補者に対して一定の条件に基づいて州より選挙資金を交付するための財源を確保するため、法人税を0.2%引き上げる等を内容とする法律の制定

×

90

州及び地方公共団体が他の民間プロジェクト及び利用を促進する目的で私有財産を収用したり損害を与えたりすることを禁止するとともに、州及び地方公共団体が法令に基づいて財産を正当に収用する際には十分な経済面の損失補償を行うことを内容とする加州憲法の改正

×


シュワルツェネッガー二期政権の主要施政方針
医療保険制度
 

シュワルツェネッガー知事は、すべての住民に保険制度への加入を義務付ける包括的な医療保険制度を提案した。

知事は、カリフォルニア州には現在、約650万人の保険未加入者がおり、これが保険料の高騰を生んでおり、結局のところ保険加入者がこれらを「隠れた税金」という形で支払わざるを得なくなっていると主張する。知事によると、「隠れた税金」の額は、一人当たり455ドルに達するとのことである。

また、知事の提案によれば、10名以上の従業員を雇用する事業者は、従業員に医療保険を提供するか、又は従業員に支払う給料の4%を州政府の基金に支払うかのいずれかを選択しなければならないとしており、これにより医療保険への加入促進を図るとしている。

さらに、同制度は医者や病院に対しても、それぞれの収入の2%及び4%を基金に支払わせるとしている。

知事の提案する制度については、全国レベルでのヘルスケア改革のリーディングケースとして注目を浴びており、知事に対する住民の大きな支持を背景にどこまで議論が進展するかが注目されている。

地元紙などによると、制度の導入により保険料はさらに高騰するとの見方もあり、既に従業員に医療保険を提供している各企業にとっても、新たなコスト高につながって、企業の競争力を減少させることにならないかと心配する声もあがっているとのことである。

JBA・JETROが昨年調査した企業実態調査によると、南カリフォルニアで活躍する日系企業の9割以上が、既に従業員に医療保険を提供しているとのことではあるものの、医療保険をめぐる状況の変化は日系企業の活動にも様々な面で影響を及ぼす可能性が高く、今後の動向が注目される。

刑務所改革
 

現在カリフォルニア州では、10万人の収容能力の刑務所に17万4千人もの犯罪者が服役している。そういった過密状態で犯罪者に刑期を務めさせても、再犯率の減少に繋がらないこと、刑務所と少年院が不足しているため、05年に23万人以上の犯罪者が、投獄そのものを免れたか、刑期未了のまま釈放されていることを重く見て、刑務所改革に取り組む姿勢を示した。具体的には、刑務所の収容能力の増加、女性及び軽犯罪者等を地方刑務所に集めることなどを行うこととしている。この刑務所改革に109億ドルの資金を投じるとしている。

戦略的成長計画(Strategic Growth Plan :SGP)に基づくインフラ整備
 

カリフォルニアでは、今後20年間に23%以上の人口増が予想されており、これによる需要増に対応するためには、5000億ドル以上のインフラ投資が必要と見込んでいる。このような背景 から、シュワルツェネッガー知事は昨年1月の一般教書演説において、今後10年間で2,000億ドル以上のインフラ整備を集中的に実施する戦略的成長計画(Strategic Growth Plan :SGP)を公表した。

この計画遂行の第1段階は、州債発行の可否を問う昨年11月の住民投票であったが、カリフォルニア州民は全ての州債発行案を可決し、総額427億ドルの財源を確保することができた。これら州債と既存財源、受益者負担金、官民パートナーシップの活用等の多様な財源により、今後のインフラ整備を進めていくこととなる。今後数ヶ月間で、知事は具体的な整備対象と手続きを順次決定していくこととなる。

 
現在示されている主な整備予算  (単位:億ドル)
  州・地方矯正施設等 109
    地方刑務所・少年施設 55
    州刑務所 44
    医療施設 10
  K-12教育施設 116
    新規建設 51
    改善 25
    チャータースクール 20
    職業訓練教育施設 20
  高等教育施設 116
    カリフォルニア大学 29
    カリフォルニア州立大学 28
    カリフォルニアコミュニティカレッジ 60
  洪水対策、水資源供給等 60
  裁判所施設 20
  その他施設整備 26
  交通施設


 

* 交通施設についてはプロポジション1Bにおいて約199億ドルの州債発行が認められているが、知事は新たな官民パートナーシップ、デザインビルド方式の提案を行い、州債発行による成果の最大化を図っていくとしている。この方式によれば、最低でも14.5%の混雑緩和を達成でき、カープールレーン、有料道路整備とその他の大気汚染対策に170億ドルの民間投資を見込むことができる等としている。

環境政策
加州地球温暖化対策法(AB32)の制定
 

加州は昨年、地球温暖化対策を重要課題と位置づけ、地球温暖化につながる温室効果ガスの削減を義務付ける法律AB32を全米で初めて制定し、大規模な署名式典を開催した。

<法案のポイント>
  • 2020年までに州全体の温室効果ガス排出量を1990年水準まで抑制(対策を行わなかった場合と比べ約25%の削減に相当)する「排出上限規制」を、2012年から導入。
  • 規制対象業種は排出量が大きいものから対象。
  • 2008年から、主要排出源からの排出量報告義務を導入。
  • 排出源取引制度は排出削減手段のオプション。
  • 州知事に対し、大災害や深刻な経済危機等の異常事態の際に、法律で定める各種の目標達成年限の延長ができる権限を付与。

法案成立に対し、産業界からは加州におけるビジネスコストの一層の上昇を招くとの懸念が呈されると同時に、エネルギーや環境に対する新しい技術やビジネスへの投資を促進するものと歓迎する意見もある。日系企業にとっては、カリフォルニア州外における活動、日本の親会社による活動が、排出量と削減量の両面から、どのように評価されるか、早期取り組みや特定団体(Climate Action Registry :CCAR)への参画がどのように有利に評価されるかの議論が注目される。

低温室効果ガスに関する基準の設置
 

シュワルツェネッガー二期政権では、AB32目標を実現する環境政策の柱として、輸送用燃料を、二酸化炭素など温室効果ガス排出量の多い化石燃料から、温室効果ガス排出量の少ない代替燃料へ転換するため、低温室効果ガスに関する基準を設置することを掲げており、知事は1月18日、このための行政命令に署名した。同命令では、乗用車燃料に占めるガソリンなど化石燃料比率を2020年までに10%以上削減することを義務付ける規則の策定を指示しており、このガソリン比率の削減により、エタノール混合燃料や燃料電池など、環境負荷が小さい代替燃料の普及を促すこととしている。本施策は市場メカニズムを活用し、ソーラーパネル、水素ハイウェイ、バイオ燃料計画などの施策と連動することで、大きな経済波及効果を生み出すことが期待されている。

研究開発政策
 

シュワルツェネッガー知事は、加州の研究・開発の拠点としての現在の地位を維持するため、各種研究機関を通して、’クリーン’テクノロジー、バイオテクノロジー及びナノテクノロジー分野を柱に、様々な支援を行っていく計画。

具体的には、次世代太陽エネルギーテクノロジー、バイオマスなどの代替エネルギー、IT、スーパーコンピューターなどに多額の予算を計上する予定。

政治改革
 

選挙区割りの設定主体を州議会から、11人により構成される独立委員会に変更することにより、公正な選挙区設定を実現し、より競争を増し、州民の信頼に応えられるようにする。

2005年の特別選挙で、シュワルツェネッガー州知事が提案した選挙区割り制度(退職した裁判官で構成される独立委員会の設置)の改革のプロポジションは否決されているが、1月9日に行われた施政方針演説で、2期目においても選挙区割りの改革を求めている。

2006年11月に行われた中間選挙(連邦議員、州議会議員)で、カリフォルニア州内で政党が替わったのは、連邦下院議員選挙の1議席のみであった。

教育改革
 

校舎・施設の不足・老朽化、学業成績の低下や高い中途退学率等の問題を抱えている。

2006年11月の中間選挙で通過したプロポジション1Dは、104億ドルの公債を発行し、幼稚園から大学校舎の施設整備を目的とするものであり、2007年には、15,000以上の教室を新規に建築し、40,000以上の教室を改修する。

施設面の整備だけでなく、教育の透明性、説明責任を高めるために、親が子供の教育、学校に関する情報をオンラインで入手できるようにする。


その他
ロサンゼルス・ロングビーチ港における大気汚染問題
サンペドロ湾クリーン・エア・アクションプラン
 

近年、ロサンゼルス・ロングビーチ港が排出するディーゼル排気微粒子とぜんそく罹患率の因果関係に関するレポートが出されたことなどを受け、両港では環境問題を最重要課題として位置づけ、その一環として、サンペドロ湾クリーンエアアクションプランを作成し、港湾において使用されるトラック、鉄道などを含めた排ガス対策の強化を図っている。本プランは、船舶の速力制限、陸電の使用、補機及び主機の燃料に関する基準(0.2%硫黄分)等を内容としており、昨年11月に両港におけるボード承認を経て発効した。

計画では、港湾内の17000台のトラックを改良あるいは新しいモデルに交換するための第一歩を進めており、この一部はLNG車が導入され、このためのLNG燃料供給施設も港湾区域内に作られる予定である。船舶が減速しなければならない区間については、現在の沿岸12マイルから2008年までに40マイルへと拡張されることとなっている。また両港はコールド・アイアニング施設の整備に取り組んでいる。これは非常にコストがかかるものであり、これまでに120万ドルから200万ドルの資金を投じている。今後5年間で、両港併せて26の埠頭で施設整備がなされる予定である。計画達成のためにはさらに合計16億ドルの資金が必要とされており、今後の具体的な資金調達方法についての議論が注目されている。

環境・交通整備を目的としたコンテナ課税
 

両港におけるコンテナの取扱いに対して課税し、環境対策及び鉄道整備等の財源とする加州法案SB927については、シュワルツェネッガー加州知事の拒否権により昨年は成立しなかったが、地元の声等もあり、今年以降再び提出される可能性も残されている。両港以外の港湾に課税しない不公平性や、税の使途などが今後の論点として予想されている。

海外日本食レストラン認証制度
 

農林水産省では、世界全体に日本食ブームが広がる中で、海外における日本食の信頼性を高め、日本食のファンをさらに広げるため、海外における日本食レストランの認証制度を創設すべく、有識者会議を設置して検討を進めている。

昨年11月の設置以来、既に2回の有識者会議が開催され、今後、さらに議論を深め年度内に提言をまとめる予定としている。

本件については、当館にも多くのご意見・ご要望が寄せられており、これらの御意見は適宜農水省・外務省に伝えているところである。

なお、有識者会議の提言が取りまとめられた後には、海外の主要な都市において、さらに具体的な基準の策定等の作業が行われる予定と聞いている。



(C) Consulate General of Japan in Los Angeles. All rights reserved.
350 S. Grand Ave., Suite 1700, Los Angeles, CA 90071
Tel:(:213)617-6700 Fax;(213)617-6727
| 法的事項 | アクセシビリティについて | プライバシーポリシー |