
米カリフォルニア州衛生局等によるとオレンジ郡にて先月24日に亡くなった男性(57歳)の死因が西ナイル熱によるものであると確認され、同州内で初の死者が出ました。同州では今年に入ってすでに44名(ロサンゼルス郡10名)の西ナイルウィルス感染者が確認されており、昨年を上回る勢いで広がっています。またアリゾナ州でも今年すでに2名の死者と130名以上の感染者が確認されており、引き続き注意が必要です。 そもそも西ナイルウィルスは鳥類が保菌しているものであり、その鳥を刺した蚊によって媒介され、鳥から人または人から人へは感染しないので、蚊に刺されないことが重要であるとして、以下の予防法を勧めています。
 |
夜明け及び夕刻に蚊のいるところへ行かない。 |
 |
戸外にいるときは長袖、長ズボンを着用する。 |
 |
DEET ( chemical name, N,N-diethyl-meta-toluamide ) を大人用が35%以下、子供用は10%以下含有する防虫剤を使用する。 |
 |
窓には穴のあいていない網戸をつける。 |
 |
古タイヤ、フラワーポット、ゴミ、プール、野鳥用プール、ペット用水ボールなどに水を溜めたままにしない。 |
 |
プールを清掃し塩素処理する。プールカバー上の水は排出する。 |
 |
池には蚊の卵や幼虫を食べる金魚などを飼う。 |
 |
野鳥用プールや靴の泥落とし用水溜は毎週水を抜いて清掃する。 |
西ナイルウィルスについて
西ナイルウィルスは、従来アフリカ、ヨーロッパ、西アジアで患者発生報告がありましたが、米国では1999年に初めてニューヨークで患者が発生し、以来、毎年蚊が活発に活動する時期に発生しています。これまで、日本においては輸入症例、国内感染の報告はありません。
西ナイルウィルスはウィルスに感染している蚊に刺されることで感染しますが、発症するのは2割程度(潜伏期間2~14日)で8割の人は無症状です。なお、ヒトからヒトへの感染はありません。
西ナイルウィルスに感染し発症した状態が西ナイル熱といわれるもので、西ナイル熱はインフルエンザ様の症状の、比較的軽症の病気で、ほとんどの患者は数日から1週間程度で回復します。一方、ウィルスが脳に感染して重篤な状態となるのが西ナイル脳炎です。重篤な状態となるのは感染者の約1%と言われていますが、特に高齢者が多いようです。重症患者の3~15%が死亡すると言われています。

さらに詳しい情報は、 米国疾病対策予防センター ( CDC : Center for Disease Control and Prevention http://www.cdc.gov/ncidod/dvbid/westnile/surv&control04Maps.htm ) で入手できますので、正しい情報のもと、感染しないよう十分ご注意ください。
|