外務大臣表彰
正原久子氏が、2016年外務大臣表彰を受賞しました。
いけばな教授会会長である正原久子氏に対して、2016年度外務大臣表彰の表彰式が9月23日(金)に総領事公邸で行なわれました。
外務大臣表彰は、国際関係の様々な分野で活躍し,我が国と諸外国との友好親善関係の増進に,特に顕著な功績のあった個人および団体について,その功績を称えるとともに,その活動に対する日本国民の理解と支持を一層深めることを目的としています。
正原久子氏の経歴・表彰理由は、下記の通りです。
1.経歴
正原久子氏は、1929年神戸市生まれ。1945年神戸市立第一高等女学校卒業。1942年に、いけばな小原流に入門、1956年に家元教授の教状を取得されました。ロサンゼルスに移住後、1968年から1980年に亘り、いけばな小原流ロサンゼルス支部支部長、1981年から2005年、支部長を務められました。
また、華道教授会に入会後、1979年から1981年、1996年から1998年、2003年から2004年の間、同会会長を務められました。1992年には北米小原流教授会の名誉会員に就任。更に2011年には、いけばな小原流本部より、これまでの同氏の海外での優れた功績・活動が認められ、いけばな小原流本部名誉会員に任命されています。2015年に、当地でいけばな教授会が設立され、正原氏は、同教授会の初代会長に就任されています。
2.表彰理由
正原久子氏は、1957年ロサンゼルス移住後、在日米軍経験者の夫人達にいけばなの指導を行い、また四半世紀以上に亘り、ロサンゼルスシティーカレッジのコミュニティーサービス・エクステンションクラスにおいて、当地の学生や成人を対象にいけばなの指導にあたり、日本のいけばなへの理解の深化、普及に務めてこられました。
また、1994年の天皇皇后両陛下御訪米の際に開催された歓迎レセプションでは、他流派の教授陣とともに見事な生花を飾りつけ、いけばな教授を代表し、後日、両陛下に謁見を賜る機会を得られました。
同氏は、長年に亘り二世週祭や日米文化会館や全米日系人博物館における文化行事、ロサンゼルス郡立美術館の日本行事やプライスコレクション美術展において、いけばなの展示や実技披露を通じて後進の指導を行い、いけばなの伝統技術の継承・普及に常に努力してこられました。同氏のこれらの功績は、日米文化交流に顕著な実績を残したとし、2003年に南加日系婦人会及び日系市民協会ロサンゼルス支部より“Woman of the Year”が授与されました。
正原氏は、1992年以降、現在まで、北米小原流教授会の名誉会員として、毎年全米各地で開催されるコンファレンスに参加、北米32支部の教授陣を積極的に支えてこられました。これらの活動が認められ、同流家元より2011年に名誉会員に任命されました。
また、複数流派の会員で構成されるいけばなインターナショナルロサンゼルス支部にも属し、役員を歴任し、カリフォルニア州、時にはアリゾナ州まで遠征し、講義や実技披露を行うなど、いけばなを通じた日米文化の友好親善交流に長年励んでおられます。2015年南カリフォルニアにおいて、いけばなの更なる発展と後進の育成を目指し、華道教授会と南加生花教授会が統合、新たに、いけばな教授会が設立され、正原氏はその初代会長に就任、現在に至っています。
3.表彰状授与式
正原久子氏の表彰状授与式は、9月23日(金)、総領事公邸にて、ご家族やご友人、生け花関係者のご出席の下、開催されました。千葉総領事より、長年に亘る同氏の華道文化の普及・伝承に対する功績が紹介された後、同氏へ外務大臣表彰状が授与されました。
同氏からは、受賞の喜び、参加者の皆さんに対する感謝の言葉が述べられました。ハンティントンライブラリー美術コレクション&植物園 庭園文化プログラムディレクターを勤めるロバート堀氏が祝辞を述べるとともに、いけばな小原流家元からの祝辞を代読しました。長年のご友人であるマーク中川牧師(United Methodist Church District Superintendent, California-Pacific Conference West District)からは、乾杯の言葉があり、授賞式は和やかなうちに終了しました。