令和元年秋の叙勲

令和2年2月21日

デボラ・ナカトミ氏に対する叙勲伝達式

令和元年113日に令和元年秋の叙勲受章者が発表され,当館管轄地域からはデボラ・ナカトミ氏が旭日双光章を受章されました。

 

デボラ・ナカトミ氏は,平成30年末まで,36年間にわたり,リトル東京サービスセンターの理事を務められ,内4年間は理事長として低所得者向け住宅の建設など,様々なコミュニティに対して社会サービスを提供されてきたことが特に高く評価されています。同氏は,同センター活動の広報に力を入れ,令和2年完成予定の「ロサンゼルス武道館」の建設計画においては,そのネットワークを通じて日系コミュニティに留まらず様々な団体から寄付を集められ,計画の実行に大きく貢献されました。
 
同氏は日系社会のみに限らず,米国社会においても傑出したリーダーシップを発揮しており,女性の人権やリーダーシップ,家庭内暴力の根絶といったテーマにおいては,全米で有数のオピニオン・リーダーでとして複数の団体から表彰されました。また全米ガール・スカウト協会の理事を9年間務めたほか,その後半の約6年間は同協会国際コミッショナーとして同協会の対外的な代表を務められました。
 
平成21年には外務省が実施している在米日系人リーダー招へい事業に参加。本プログラムを通じ,日本の官民の代表者と面会しただけでなく,同じ日系のルーツを持つ他の参加者から様々な刺激を受け,その後日米関係に積極的に関わっていく大きな転機となりました。
翌年には過去の本プログラム参加者有志とともに再度訪日し,日本政府要人と日米関係強化の方途につき協議を行いました。同プログラムのオリエンテーションでも講師を務めたほか,在米公館長会議の際には公館長と日系人リーダーのミーティングに参加するなど,日米関係の進展に貢献されました。
 
東日本大震災に際しては,共同プロデューサーとしてドキュメンタリー「東北からのストーリー」(Stories from Tohoku)を制作。日本を支援するために,米国で寄付金集めを継続する日系人たちが,被災地住民との交流を通じ,日本との繫がりや自分たちの内面に存在し続けている「日本」を再発見していく様子を,希望を持って強靱に生きる被災者の勇気とともに描きました。


さらに,平成30年には共同プロデューサーとしてドキュメンタリー「アメリカン・ストーリー~ノーマン・ミネタとそのレガシー」(Norman Mineta and his Legacy:An American Story)を制作。日系アメリカ人移民の歴史および,第二次世界大戦中に強制収容された日系人の名誉回復のため,米国政府からの謝罪と補償を求めるべく活動し,現在も日米関係の促進ため活動されているノーマン・ミネタ氏の功績を後世に残しました。同年11月には,全米各地で本ドキュメンタリーを上映した後,ミネタ氏とともに訪日し,米日カウンシルの総会において本ドキュメンタリーの上映会を開催されました。
 
同氏は戦略的コミュニケーションを専門とするNakatomi & Associatesの会長であり,企業のCEOおよびマネジメントチームへのアドバイザーとして活動し,マネジメントや組織改革をリードされています。

 

ナカトミ氏の叙勲伝達式は、令和227日午後2時より総領事公邸で行われ、ご家族及びご友人の約45人が出席されました。伝達式終了後にはレセプションが開催され、ナカトミ氏はゲストの皆様と和やかに歓談されました。