平成27年秋の叙勲受章者
11月3日(日本時間)、日本政府は、平成27年秋の叙勲受章者を発表しました。
当館管轄区域関係者では次の2氏に対して授与されます。
記
賞賜 |
功労概要 |
主要経歴 |
氏名 性別 年齢 |
現住所 |
旭日中綬章 | 日本・アメリカ合衆国間の交流促進及び友好親善に寄与 | 現 在フェニックス日本国名誉総領事 元 フェニックス日米協会会長 元 アリゾナ日本祭り実行委員会理事 |
ケリー・モア Kelly Moeur (男) (64歳) |
アリゾナ州テンピ市 |
旭日小綬章 | 日系人社会の地位向上及び日本・アメリカ合衆国の相互理解の促進、友好親善に寄与 | 元 ロサンゼルス市警副本部長 元 南加日米協会理事長 |
テリー・サブロー・ハラ Terry Saburo Hara (男)(57歳) |
カリフォルニア州ロングビーチ市 |
各受章者の対日功績
ケリー・モア 旭日中綬章
ケリー・モア氏は1951年9月25日、アリゾナ州テンピ市で出生。地元の高校を卒業後、オクシデンタル大学にて経済学を専攻しました。大学卒業間際に友人が日本にて英語講師として就職することを知り、同人も日本に対して興味を抱くようになりました。その後、同氏も同じ就職試験を受け、15ヶ月契約のもと、日本へ渡りました。日本の民間語学学校にて英語講師として働いた他、外務省研修所でも勤務しました。民間学校との契約任期終了後は、清泉女子大学にて約2年間勤務しました。
1979年に地元アリゾナ州テンピ市に帰国、アリゾナ州立大学にて1年間日本語の勉強に励みました。翌年には日本へ再び渡り、国際協力機構(JICA)の研修所にて英語講師を2年間務めました。82年にテンピ市に戻り、不動産開発に携わった後、88年にアリゾナ州立大学より日本語講師を委嘱され、現在もメサ・コミュニティカレッジ及びアリゾナ州立大学にて教鞭を執っています。
1989年、フェニックスにおける日本語補習校立ち上げの際には、同氏は日本語教育者として同校の立ち上げに深く関わり、「アリゾナ学園」開校に大きく貢献しました。同氏は初代校長に任命されて以来、現在まで校長を続けています。現在、アリゾナ学園は日本の文部科学省が定める補習校の基準を満たす教育の他、日本語の授業も提供しています。
モア氏の日米間の交流促進及び友好親善への貢献は、上述の日本語教育者としてだけではなく、アリゾナでの日本文化の普及という形でも行われてきました。アリゾナ祭りの実行委員会には設立当初から参加し、毎年の祭りの開催に多大に貢献してきました。さらにフェニックス日米協会、アリゾナ日本語教師協会では会長を務めた他、アリゾナ日系企業懇話会の活動にも積極的に参加してきました。
テリー・サブロー・ハラ 旭日小綬章
ハラ氏は、1957年、ロングビーチ市で、日系三世として生まれました。戦時中、日系人収容所で暮らした母親から、遵法精神と思いやりの気持ちを持つことの大切さを教えられて育ちました。
大学卒業後、1980年にロサンゼルス市警察に採用され、以後、警察官としてのキャリアを重ね、2008年には、日系を含むアジア系としては初めてロサンゼルス市警察の副本部長に昇進しました。その後、2015年年3月に退職するまで7年間にわたり副本部長を務め、この間、日系人を含むアジア系米国人社会とロサンゼルス市警との対話促進、日系諸団体による行事への協力、日本からの捜査要請に関する協力等を進めました。また、群馬大学で、多文化コミュニティーで成果を上げるロサンゼルス市警の評価体系プログラムを紹介し、群馬県警等では同プログラムが採用されるに至っています。ハラ氏は、これらの活動を通じて当地における日系人の地位向上にも大きく貢献しました。
2005年には在米日系人リーダー招聘プログラムに参加し、初めて日本を訪問したことをきっかけとして、日系人であること、日本との関係を強く意識するようになりました。2007年には、初めて二世週祭で青森ねぶたを披露することに尽力し、その後、パサデナのローズ・パレードに参加する高校生等、多くの若者のホストファミリーにもなってきました。2010年3月には南加日米協会の理事となり、2013年3月から2年間は理事長を務め、日米の友好促進に大きく貢献しました。東日本大震災直後から、義援金のとりまとめに奔走し、特に理事長に就任してからは、被災者支援に力を注ぎ、とりわけ不遇な状況にある児童養護施設の児童をロサンゼルスに招く福島青少年文化交流プログラム開始にイニシアティブを発揮しました。また、日米友好を一層促進するため、特に若年層への働きかけに力を入れ、協会の会員拡充を通じた日本に関心を持つ層の裾野拡大に貢献しました。
ハラ氏は、2010年から南加日系商工会議所の理事を務めているほか、日米文化会館、日系人兵士戦没記念碑財団など様々な日系団体での活動に貢献してきました。2009年にはロサンゼルスにおける日系人コミュニティの祭典を主催する二世ウィーク財団の会長兼実行委員長を務め、今年、第75回二世週祭においても再び実行委員長を務めました。今年の二世週祭では新たな青森ねぶたが作成、披露され喝采を受けたほか、東北各県からの祭りも参加し、日本と米国の絆が一層と強化され、ハラ氏は、二世週祭を大成功に導きました。