曽根総領事離任挨拶

令和7年8月8日

南カリフォルニアそしてアリゾナの皆様、8月11日、ほぼ3年間正確に言いますと、2年11ヶ月と10日の任期を終え、離任し、日本に帰国することになりました。 

 

この約3年の間、ロサンゼルス以外の都市も含め、数多くの場所に出向き、日米両国の交流を肌感覚で理解するよう努める中で、両国関係を更に拡大・深化させることに注力して参りました。訪問する先々において、在留邦人や日系コミュニティの皆様、そして日本との関わりを大切にしておられる多くのアメリカ人の皆様に温かく迎えていただいたことに深く感謝を申し上げます。 

 

総領事として、様々な案件に取り組んできました。あまりにも沢山の出来事があり、そして、心を揺さぶられる瞬間を何度も経験しました 

 

9万人以上という、世界で最も多くの在留邦人を抱える当館にとって、領事関連業務は最も重要な任務です本年1月の大規模な山火事、6月の連邦政府による不法移民取り締まりに対する抗議活動の際には、状況に応じて速やかな領事メールの発出や当館のSNSやHPを通じた情報提供に取り組みました。また、山火事対応では、日本政府による米国赤十字を通じた200万ドルの支援を行い、当地のコミュニティとの関係でも日本との信頼関係をさらに強めることができました。 

 

アジア・太平洋諸島系(AAPI、ラテン系、ユダヤ系、アフリカ系、アルメニア系等の多様なコミュニティ、各地域の自治体(地方政府)との連携強化などにも多くの時間を割きました。日系企業との関係では、水素技術、半導体、宇宙、スタートアップ等の分野を始め日系企業のプレゼンス強化やアリゾナ州との経済関係強化、地域の魅力を踏まえた訪日観光の拡大や日本食・酒類の販売推進、日米の企業間の連携のサポートに取り組みました。 

 

自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の実現や日米豪印QUADの間の連携など日本外交の発信にも力を入れるとともに、米軍・自衛隊の交流、伝統文化、エンタメ、日本語、青少年交流、姉妹都市交流、スポーツ交流等の推進、日米協会、アジア協会、シンクタンク、大学等との連携に加え、ジャパンハウスLAを通じた日本の魅力の発信などにも注力しました。 

 

北米最大の日系コミュニティをカバーする当館にとって、日系コミュニティとの関係強化は、これまでもそしてこれからも最も重要な取組の一つす。リトル東京、ソーテル、クレンショー、ガーデナ、ボイルハイツ、ターミナルアイランド、サンフェルナンドバレーベニス、イーストサンゲーブルバレー、ノーウォーク、マンザナー、インペリアルバレー日系人の歴史の一部となっている場所博物館、日系コミュニティセンター等実際に視察し、Defining CourageBaseball Behind Barbed Wire視聴する中で歴史を学び、先人の歩みに思いを馳せ、そして、日系人の方々に出来るだけ多く直接お話を伺うことを心掛けました日系人の方々と心と心でつながる中で、長い歴史の中で日系人が苦難を乗り越え、この日系社会を築いてきたこと、日本と米国をつなぐ礎となり、黄金時代とも言われる現在の日米関係を支えている強く感じました 

 

同時にその日米の絆を将来につないでいくことがさらに重要であり、それこそが我々の責任でもあります。そのために力を入れて取り組んできたことが、次世代日系人リーダーの育成あり、その取組が確実に成果を上げてきています。 

 

今後も、政治、経済、文化といったあらゆる側面いて、日系人をはじめとして、日米の次世代リーダの方々が交流を更に深、日本と米国の懸け橋として、日米関係の更なる拡大・深化の中核を担い、日米同盟を更なる高みに引き上げていくことを期待してやみません。 

 

この3年間の多くの方から頂いた支援と友情は、言葉では言い尽くせませんが、あえて一言で皆さんに気持ちを伝えるとするのならば、それは、今年の二世週祭のテーマと同じ「感謝(Gratitude)」につきると思います。在ロサンゼルス日本国総領事の最後の役割として、8月10日、次の日曜日二世週祭のパレードに参加し、心からの感謝の気持ちを皆さん伝え、離任いたします 

 

私の後任には、国家安全保障局で内閣審議官を務める室田幸晴が着任します。8月11日に着任しますので、引き続き変わらぬご支援をいただければ幸いです 

 

ありがとうございました。