総領事からのご挨拶
南カリフォルニアとアリゾナ州に在住の皆様、この度、在ロサンゼルス日本国総領事として着任しました室田幸靖(むろたこうせい)です。
1994年に外務省に入省して以降、米国での生活は、ワシントンDC日本大使館での勤務以来2回目ですが、これまで、西海岸とはご縁がありませんでした。ロサンゼルスに到着して、自らのミッションの重さに身震いしつつ、この素晴らしい街で新たに暮らし始めることの喜びも感じています。
南カリフォルニア及びアリゾナ州には、約9万人の在留邦人が居住され、また、ビジネス、留学、観光等を目的に毎年多くの日本人が当地を訪れています。多くの日本人選手が活躍するメジャーリーグ・ベースボールなどのプロスポーツが人気を博しているのに加え、2026年のFIFAワールドカップではイングルウッドで開催試合があります(ここは、2027年のスーパーボウル開催地でもあります。)。そして2028年には、オリンピック・パラリンピックがロサンゼルスで開催されますので、今後、当地への日本人の来訪が益々増加すると見込まれます。総領事館の最重要ミッションは、地域に住む日本人の皆様に、円滑かつ質の高い領事サービスを提供することです。皆様が、安全で安心して滞在し、生活していただけるよう努めて参ります。
また、経済面においても、南カリフォルニアは日系企業の北米最大の進出先であり、企業数では1,200社を超えます。日米間の経済関係を更に発展させるべく、日本貿易振興機構(JETRO)や日本政府観光局(JNTO)とも連携し、水素技術といった日本の先端技術を生かした環境・エネルギー分野での協力を推進するとともに、対日投資や訪日観光の促進、日本食・酒類の米国への輸出増加にも尽力して参ります。
ロサンゼルスは、ハリウッドを擁する世界的なエンターテイメント産業の中心地でもあります。近年、日本の作品や『SHOGUN 将軍』をはじめとする日本に関する米国コンテンツが高い評価を受け、日本文化への関心が一層高まっています。今後も、ロサンゼルスという土地の特性を最大限に活かし、ジャパン・ハウス ロサンゼルスや国際交流基金とも連携し、日本文化の発信に一層取り組みます。また、日本のコンテンツ産業の発展に微力ながらもお手伝いができないか、考えたいと思っています。
そして、当地には28万人を超える北米最大の日系人コミュニティが存在します。2024年に、日系人コミュニティにとって象徴的な地であるリトル東京が140周年を迎えました。日米交流の礎を作ってこられた日系コミュニティの皆様との交流を大切にし、その更な
る発展・プレゼンスの向上に向け、取り組んで参ります。個人的には、今回のロサンゼルスでの勤務を、日系人の歴史について更に深く学ぶ機会にしたいと思っています。
今後、できるだけ早く、南カリフォルニアとアリゾナ州の各地を訪問したいと考えています。皆様のご意見も聞かせていただきながら、日米関係の一層の発展に尽力する所存です。皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。