総領事からの挨拶
令和7年1月1日

南カリフォルニア、そして、アリゾナ州の皆様、明けましておめでとうございます。
2022年9月に着任して以来当地での勤務も3年目に入りました。この間、ロサンゼルス以外の都市も含め、数多くの場所に出向き、日米両国の交流を肌感覚で理解するよう努める中で、総領事館として、両国関係を更に拡大・深化させることに注力して参りました。訪問する先々において、在留邦人や日系コミュニティの皆様、そして日本との関わりを大切にしておられる多くのアメリカ人の皆様に温かく迎えていただいておりますことに深く感謝を申し上げます。
まず始めに、昨年1月に発生した令和6年能登半島地震により多大な被害を被った方々を支援するため、当館としても義援金を受け付けて参りましたが、今もなお、南カリフォルニアとアリゾナ州の皆様から多くの温かいご支援が寄せられており、改めて感謝申し上げます。当館に寄せられた義援金は、法令に則り日本政府を通じて被災された自治体の方々に確実に届けられております。
さて、昨年は、ロサンゼルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレスのポストシーズンでの熱戦を始め、野球、バスケットボール、サッカー、スケートボードなどのスポーツ分野における日本人アスリートの活躍に日米両国で大きな注目が集まりました。また、日本人監督の作品や日本を舞台とする映画がアカデミー賞で大きな脚光を浴びるともに、日本語のセリフを中心に作られたドラマが多くの部門でエミー賞を受賞しました。スポーツとエンターテイメントの力によって、日本への関心が高まり、両国の人々の心の距離が更に近くなったことが強く感じられた一年でした。
日本と国際社会を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、日米同盟やグローバル・パートナーとしての日米協力の重要性が一層高まっています。そうした状況を踏まえつつ、本年も政治、安全保障、経済に加え、文化、人的交流など、各分野における両国関係の一層の強化のために、積極的な活動を展開していく所存です。
世界で最も多くの在留邦人を抱える当館にとって、領事業務は在留邦人の皆様と直接接点をもつ大切な仕事であり、最重要業務の一つです。従来の領事業務に加えて昨年5月末からは国外転出者向けマイナンバーカードの申請・交付業務も開始しておりますところ、引き続き、各種サービスの利便性向上を推進して参ります。
北米最大と言われる当地の日系人コミュニティは日米交流の要です。昨年140周年を迎えたリトル東京の歴史的・文化的価値を改めて認識しつつ、各種日系団体の取組をサポートしていきます。同時に、米国社会を牽引する各界の日系人リーダーが、我が国の関係者との間で、今後の日米関係強化に積極的に取り組んで頂けるよう、特に若手の次世代リーダーの方々との協力に今後も重点的に取り組んで参ります。また、日系人コミュニティを軸としつつ、より多様なコミュニティとの交流も更に深めていきたいと思います。
当地における日本文化や日本語の普及、そして、人的交流の重要性については論を俟ちません。ジャパン・ハウス ロサンゼルスを通じて、「日本の魅力」の発信に引き続き努めていくとともに、国際交流基金とも連携し、各地の日本語教師の方々の持続的な活動へのサポートを始め日本語教育の拡大強化に努めて参ります。また、姉妹都市交流やJET事業を始めとする各種交流プログラムを通じて、特に若年層の対日理解を促進し、将来的な日米関係を支える次世代の人材育成も引き続き重視していきます。
南カリフォルニアは日系企業による北米最大の進出地です。双方の経済団体の協力や民間企業が担うビジネスによって支えられている経済関係を新たな高みに引き上げるべく、引き続き、官民一体で取り組んで参ります。特に、日本が高い技術力を誇る水素などの環境対策を始めとした分野での協力を後押しするともに、米国における日本への更なる関心の高まりも踏まえ、対日直接投資や訪日観光の促進、日本食や酒類の更なる普及・輸出促進にも、日本貿易振興機構(JETRO)や日本政府観光局(JNTO)等の関係者とも連携して取り組んで参ります。また、2025年大阪・関西万博は、日本の魅力を世界に向けて発信するだけでなく、世界各国のビジネス関係者が集う絶好の機会です。多くの米国の方に来場いただき、楽しみ、更に足を伸ばして様々な地方にも訪問頂き、そしてビジネスマッチングを含むそれぞれの将来に夢と希望を持ってもらう機会にできるよう、引き続き、当地でのPRに努めます。
近年、当館ではアリゾナ州との関係強化に一層力を入れて取り組んでいます。私自身、着任以来、アリゾナ州を11度訪れる中で、経済成長と人口増加著しいアリゾナ経済環境を何度も目の当たりにし、同州に対する日系企業の関心が更に高まっていることを肌で感じています。引き続き、同州への進出や更なる活動拡大に関心のある日系企業を対象とした地方政府との交流促進や経済セミナー等を実施するとともに、日本食の普及、文化交流といった、草の根レベルの対日理解促進にも取り組んでいきたいと思います。
2025年は戦後80周年の節目の年です。当時は対戦国同士であった日米両国は、過去を乗り越え、今ではかけがえのない無二の友人となりました。世界が分断や対立ではなく、融和と協調に向かうことを願いつつ、南カリフォルニアとアリゾナ州の皆様が長きにわたり築いてこられた日米の友情がさらに強固になるよう、本年も全力を尽くす所存です。
結びに、在留邦人、日系米国人そして南カリフォルニア及びアリゾナ州の皆様の新しい年におけるご健康、ご多幸、そして日米関係の一層の発展を祈ってご挨拶とさせていただきます。
令和7年 元旦
在ロサンゼルス日本国総領事
曽根 健孝
2022年9月に着任して以来当地での勤務も3年目に入りました。この間、ロサンゼルス以外の都市も含め、数多くの場所に出向き、日米両国の交流を肌感覚で理解するよう努める中で、総領事館として、両国関係を更に拡大・深化させることに注力して参りました。訪問する先々において、在留邦人や日系コミュニティの皆様、そして日本との関わりを大切にしておられる多くのアメリカ人の皆様に温かく迎えていただいておりますことに深く感謝を申し上げます。
まず始めに、昨年1月に発生した令和6年能登半島地震により多大な被害を被った方々を支援するため、当館としても義援金を受け付けて参りましたが、今もなお、南カリフォルニアとアリゾナ州の皆様から多くの温かいご支援が寄せられており、改めて感謝申し上げます。当館に寄せられた義援金は、法令に則り日本政府を通じて被災された自治体の方々に確実に届けられております。
さて、昨年は、ロサンゼルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレスのポストシーズンでの熱戦を始め、野球、バスケットボール、サッカー、スケートボードなどのスポーツ分野における日本人アスリートの活躍に日米両国で大きな注目が集まりました。また、日本人監督の作品や日本を舞台とする映画がアカデミー賞で大きな脚光を浴びるともに、日本語のセリフを中心に作られたドラマが多くの部門でエミー賞を受賞しました。スポーツとエンターテイメントの力によって、日本への関心が高まり、両国の人々の心の距離が更に近くなったことが強く感じられた一年でした。
日本と国際社会を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、日米同盟やグローバル・パートナーとしての日米協力の重要性が一層高まっています。そうした状況を踏まえつつ、本年も政治、安全保障、経済に加え、文化、人的交流など、各分野における両国関係の一層の強化のために、積極的な活動を展開していく所存です。
世界で最も多くの在留邦人を抱える当館にとって、領事業務は在留邦人の皆様と直接接点をもつ大切な仕事であり、最重要業務の一つです。従来の領事業務に加えて昨年5月末からは国外転出者向けマイナンバーカードの申請・交付業務も開始しておりますところ、引き続き、各種サービスの利便性向上を推進して参ります。
北米最大と言われる当地の日系人コミュニティは日米交流の要です。昨年140周年を迎えたリトル東京の歴史的・文化的価値を改めて認識しつつ、各種日系団体の取組をサポートしていきます。同時に、米国社会を牽引する各界の日系人リーダーが、我が国の関係者との間で、今後の日米関係強化に積極的に取り組んで頂けるよう、特に若手の次世代リーダーの方々との協力に今後も重点的に取り組んで参ります。また、日系人コミュニティを軸としつつ、より多様なコミュニティとの交流も更に深めていきたいと思います。
当地における日本文化や日本語の普及、そして、人的交流の重要性については論を俟ちません。ジャパン・ハウス ロサンゼルスを通じて、「日本の魅力」の発信に引き続き努めていくとともに、国際交流基金とも連携し、各地の日本語教師の方々の持続的な活動へのサポートを始め日本語教育の拡大強化に努めて参ります。また、姉妹都市交流やJET事業を始めとする各種交流プログラムを通じて、特に若年層の対日理解を促進し、将来的な日米関係を支える次世代の人材育成も引き続き重視していきます。
南カリフォルニアは日系企業による北米最大の進出地です。双方の経済団体の協力や民間企業が担うビジネスによって支えられている経済関係を新たな高みに引き上げるべく、引き続き、官民一体で取り組んで参ります。特に、日本が高い技術力を誇る水素などの環境対策を始めとした分野での協力を後押しするともに、米国における日本への更なる関心の高まりも踏まえ、対日直接投資や訪日観光の促進、日本食や酒類の更なる普及・輸出促進にも、日本貿易振興機構(JETRO)や日本政府観光局(JNTO)等の関係者とも連携して取り組んで参ります。また、2025年大阪・関西万博は、日本の魅力を世界に向けて発信するだけでなく、世界各国のビジネス関係者が集う絶好の機会です。多くの米国の方に来場いただき、楽しみ、更に足を伸ばして様々な地方にも訪問頂き、そしてビジネスマッチングを含むそれぞれの将来に夢と希望を持ってもらう機会にできるよう、引き続き、当地でのPRに努めます。
近年、当館ではアリゾナ州との関係強化に一層力を入れて取り組んでいます。私自身、着任以来、アリゾナ州を11度訪れる中で、経済成長と人口増加著しいアリゾナ経済環境を何度も目の当たりにし、同州に対する日系企業の関心が更に高まっていることを肌で感じています。引き続き、同州への進出や更なる活動拡大に関心のある日系企業を対象とした地方政府との交流促進や経済セミナー等を実施するとともに、日本食の普及、文化交流といった、草の根レベルの対日理解促進にも取り組んでいきたいと思います。
2025年は戦後80周年の節目の年です。当時は対戦国同士であった日米両国は、過去を乗り越え、今ではかけがえのない無二の友人となりました。世界が分断や対立ではなく、融和と協調に向かうことを願いつつ、南カリフォルニアとアリゾナ州の皆様が長きにわたり築いてこられた日米の友情がさらに強固になるよう、本年も全力を尽くす所存です。
結びに、在留邦人、日系米国人そして南カリフォルニア及びアリゾナ州の皆様の新しい年におけるご健康、ご多幸、そして日米関係の一層の発展を祈ってご挨拶とさせていただきます。
令和7年 元旦
在ロサンゼルス日本国総領事
曽根 健孝