総領事からの挨拶

令和6年1月1日
曽根総領事
南カリフォルニア、そして、アリゾナの皆様、新年明けましておめでとうございます。 
 
2022年9月に着任して以来当地での勤務も2年目に入りました。この間できるだけ多く皆様に直接お目にかかることを重視して務めて参りました。その度に温かく迎えていただいた在留邦人や日系コミュニティの皆様、そして日本との関わりを大切にしておられる多くの皆様に深く感謝しております。 
 
日米関係は、かつてない強固な同盟関係にあります。しかし、歴史的な転換点にある中で世界の安全保障環境は厳しい状況にあり、国家間の良好な関係は双方のたゆまぬ平和への努力の上に成り立つことを示しています。私は、新しい年においても、様々な地域、コミュニティ、各分野などにおいて、草の根レベルでの人と人の繋がりを作り、育てていくことに努め、良好な日米関係を一層の高みに導く一端を担いたいと考えています。 
 
世界最大規模の在留邦人数、日系コミュニティの規模、そして日本への玄関口でもある当地の公館としては、領事業務が最重要業務のひとつです。昨年(2023年)3月末には、旅券及び査証業務において、また、11月末からは証明業務においてオンライン申請・手数料のオンライン納付を開始しました。在留邦人の皆様の安全確保とともに、各種サービスの利便性向上を目指し引き続き取り組んで参ります。 
 
昨年は、ポスト・パンデミックの交流再開が始まり、当館としても将来を見据えた様々な分野での交流の再活性化を目指して参りました。 
 
日本とカリフォルニアは太平洋を跨いで隣り合っており、その経済関係は双方の経済団体の協力や民間企業が担うビジネスなどによって、力強く支えられています。昨年、米国政府は米国内での水素インフラへの投資拠点を決定し、カリフォルニア州はその筆頭として挙げられました。今後、日本が誇る水素技術等に益々期待が注がれ、港湾での実証事業や関連インフラへの投資などと相まって日カリフォルニアの経済関係が一層発展していくことが期待されます。当館としては、官民一体となった活動を力強く支援して参ります。また、日本食や酒類の更なる普及・輸出促進にも日本貿易振興機構(JETRO)、日本食レストラン、食品業界関係者の方々等とも連携して取り組んでまいります。 
 
広報文化分野では、当館は、ジャパンハウスや国際交流基金とともに、一層の発信に努めていきます。南カリフォルニアは、相当程度の日本文化、日本語が既に普及している地域ではありますが、米国人に対する日本語普及に加え、在留邦人や日系人の家庭での継承日本語の普及促進にも一層力を入れていれていきたいと考えています。文化の発信では、伝統文化に加え映画や音楽といったエンターテイメント分野でも日本のプレゼンス強化に努めたいと思います。 

同時に、米国社会を牽引する各界の日系人リーダーが、我が国の関係者との間で、今後の日米関係強化に資する関係を造り上げていっていただくことを願いつつ、特に若手の次世代リーダーの方々に重点をおいて引き続きそのための機会創出の努力を続けていく所存です。 
 
着任以来、アリゾナ州は5度訪れました。ケイティ・ホッブス知事とは経済や観光分野での日アリゾナ州関係の将来の展望について意見交換し、今後一層強化していくことについて一致しました。そして、経済成長、人口増加著しいアリゾナ経済環境を目の当たりにし、同州での日系企業の参画に大いに注目が集まっていることを実感しています。ここ数年、アリゾナへの進出に関心のある日系企業を対象とした地方政府との交流促進や経済セミナー等を実施していますが、今後も日アリゾナ間の一層の関係強化への後押しを引き続き進めて参ります。日系企業の拡大にあわせ生活環境の改善も念頭におきつつ、日本食の普及、文化の発信交流にも取り組んでいきたいと思います。 
 
最後に、在留邦人、日系米国人そして南カリフォルニア及びアリゾナの皆様の新しい年におけるご健康、ご多幸そして日米関係の一層の発展を祈ってご挨拶とさせていただきます。 
 
2024年 元旦
 
在ロサンゼルス日本国総領事
曽根 健孝