日系とアフリカ系の歴史とつながりを学ぶオンラインイベントの開催

令和3年7月21日
6月28日、当館は、ユナイテッド・メソジスト教会カリフォルニア太平洋カンファレンス西地区との共催で、日系とアフリカ系の歴史や2つの人種の相関性などの紹介を通じ、両コミュニティ間の理解を深めるオンラインイベント「Japan & Black L.A. Initiative」を開催しました。
 
冒頭、武藤顕・在ロサンゼルス日本国総領事の挨拶の後、ユナイテッド・メソジスト教会カリフォルニア太平洋カンファレンス西地区代表のマーク・ナカガワ牧師から、2020年秋に武藤総領事と同教会のアフリカ系聖職者との協議を通じて生まれた「Japan & Black L.A. Initiative」の背景や、日系とアフリカ系の文化を共有し、相互理解を深めるというこのイニシアチブの目的について説明しました。
 
また、国際交流基金ロサンゼルス日本文化センターの竹原副所長より、本年春に開催されたおにぎりや折り紙の作り方を学ぶワークショップや、現在企画中のアーバンリーグと連携した日本語ワークショップなどの「Japan & Black L.A. Initiative」の活動内容ついて紹介がありました。
 
上記の後、ロヨラ・メリーマウント大学のカーティス・タカダ・ルークス博士が、アフリカ系と日系の共通の歴史をテーマに講演を行いました。講演の中で、座間米軍基地でアフリカ系米国人の父と日本人の母の間に生まれたルークス博士は、「ダブル・マイノリティ」と呼ばれる多人種の血を引いていることが、米国と日本での生活にどのような影響を与えてきたのかを説明し、1800年代から1900年代初頭の米国における日系やアフリカ系等のマイノリティを制限する法律が制定されていた過去を経て、これが近年においては両コミュニティ間で連帯や人種的正義を求める動きに連結していることを強調しました。 
 
イベントの最後には、ロサンゼルスのクレンショー地区やパサデナなどで育った経験や、多人種の子供を持つ親が、人種間理解を深めるための方法を模索している様子など、日系とアフリカ系のつながりについての実体験にまつわるエピソードが披露されました。
 
司会はロサンゼルスのウエスト・アダムス地区にあるホルマン・ユナイテッド・メソジスト教会のケン・ウォルデン牧師がつとめ、イベントの中では、西大和学園の生徒によるけん玉の実演や「ふるさと」の歌唱、同教会によるハンドベルの演奏なども披露され、約100名が視聴しました。


 
ケン・ウォルデン牧師
 
武藤顕総領事
 
マーク・ナカガワ牧師
 
ホルマン・ユナイテッド・メソジスト教会によるハンドベルの演奏
 
カーティス・タカダ・ルークス博士
 
ルークス博士の家族写真
 
ロサンゼルス・クレンショー地区の地図 西大和学園の生徒たちによる「ふるさと」合唱