加州クナラカス副知事、Go-Bizを招いた日系企業等による企業プレゼン会の実施

令和3年11月15日
10月28日加州クナラカス副知事及びカリフォルニア州経済促進知事室(GO-Biz)を招き、水素を含む脱炭素化技術に強みをもつ日系企業等による当地での事業展望のプレゼンを総領事公邸で開催しました。
 
カリフォルニア州では、2018年9月、電力会社は、州で使用される電力の60%を2030年までに、100%を2045年までに再生可能エネルギーで賄うことが義務付けられています。さらに、2020年9月に署名された知事令により、カリフォルニアで販売されるすべての新車は、バッテリー式電気自動車や水素燃料電池自動車を含むゼロエミッション車とする目標が設定されました。
 
さらに、カリフォルニア州は2025年までに250の水素ステーションを持つことを目指しており、ロサンゼルス市の港湾局は、ロングビーチ港湾局と協力して2017年に「クリーンエアアクションプラン」を改訂し、2030年までに港湾機械を、2035年までにトラックをそれぞれゼロエミッション化することを決定しています。
 
加えて2019年12月、ロサンゼルス市水道電力局(LADWP)は石炭火力を転換するプロジェクトを開始、ユタ州の発電所からロサンゼルス近郊へ供給される電力は天然ガスと水素を混合し、2045年までに100%脱炭素化された水素にすることを計画しており、カリフォルニア州では水素は脱炭素化の重要なエネルギー源と位置づけられています。
 
また、2021年9月に行われた第2回日米豪印首脳会合ではLA港を含めた海運のバリューチェーンをグリーン化して脱炭素化するためのネットワークの形成で合意がなされ、同時に日米豪印におけるクリーン水素パートナーシップの設立が発表されています。
これらの状況を踏まえ、本会は今後のLA港の脱炭素化のための水素バリューチェーン構築等に向けた協力関係の確認のため加州政府を招いたものです。
 
参加いただいた企業からは特に「港湾の脱炭素化」「輸送の脱炭素化」「エネルギー供給の脱炭素化」「デジタルインフラ」「脱炭素分野への投資」に分かれて加州政府へ当地における企業取り組みや州政府との新たな協力関係の提案等を実施いただきました。
 
意見交換のまとめにあたり、当館武藤総領事より水素社会実現に向けた日系企業の貢献を最大化するため、関連日系企業の意向を踏まえる形で加州政府に対し以下を提案するとともに日系企業が応募する補助金等への最大限の支援を打診いたしました。
・商業目的に焦点を当てた、低炭素およびゼロ炭素水素の生産と使用を加速するための低炭素燃料基準(LCFS)の運用検討
・クリーントランスポーテーションプログラムを通じた水素インフラへの投資拡大と港及び周辺エリアを中心とした物流拠点への集中支援の実施
・民間投資を促進するための港湾および周辺地域での特区構想の策定を含む手続き合理化の検討
・自家発電補助プログラム(SGIP)等を通じた家庭用、オフィス用の燃料電池支援によ
る市場形成促進
 
加州クナラカス副知事からは今回参集いただいた企業から複数の有望な案件の提示があったことに触れ、加州への積極的な貢献と引き続きの協力に感謝が示されるとともに州の補助金・手続き等について提案あった内容についてさらなる協力と支援の機会を追求したい旨発言がありました。
 
当日登壇者
豊田通商アメリカ 中川副社長
トヨタノースアメリカ 横尾上級エクゼクティブエンジニア
三井物産アメリカ 柳澤ディレクター
岩谷産業アメリカ 植村上級ディレクター
三菱重工アメリカ 境新規事業開発担当副社長
長州産業アメリカ 千種チーフエクゼクティブオフィサー
Adept Development モンタノディレクター
i-Probe 嶋田最高戦略責任者
JBIC 元川米州地域統括
三菱UFJ銀行 中谷ロサンゼルス支店長
NEDO 大隅シリコンバレー所長
 
 
武藤総領事、クナラカス副知事意見交換後の祝賀写真
 
武藤総領事による提案説明 クナラカス副知事による質疑状況