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伊原純一総領事からの挨拶 (2008年12月24日)
  総領事館のホームページに前回挨拶を掲載してから3ヶ月以上も間があいてしまいました。新しい年を迎えるにあたり、皆様いかがお過ごしでしょうか。最近は曇りの日が多く、時々強い雨も降るし、4月に当地に着任したときとはロサンゼルスの印象も異なる感じがします。経済の急激な悪化も関係しているのかもしれません。

  住宅価格下落が引き金を引いた今回の金融危機は、9月のリーマン・ブラザーズ破綻を契機に一段と深刻化し、世界的な広がりを見せています。また同時に、実体経済にも大方の予想を超えるインパクトを与え、世界が同時不況に陥っています。このような厳しい現実を前に、オバマ次期大統領があらゆる政策手段を尽くすとの姿勢を打ち出していることは歓迎すべきことです。日本においても、景気刺激策をはじめとする様々な施策が検討され、実施に移されつつあります。

  日米両国ともに暗い話は巷にあふれていますが、あえて現実から少し距離を置いて現在の状況を眺めてみると、そこにいくつかの前向きな要素を見いだすこともできます。

  まず、世界の主要国が、この危機克服のために協調して取り組んでいこうとの姿勢を見せていることです。11月中旬にワシントンDCで開かれたG20(先進国と有力な途上国20カ国)首脳会議では、危機の根本的原因や経済刺激策を含む必要な政策について合意が得られました。誰もが、保護主義のように自分だけよければ好いといった勝手は許されないことを理解しています。みんな同じ船に乗っているのだから、協力しあわないといけないということです。

  次に、世界経済の大きな問題である不均衡、つまり米国の赤字を他の国からの資金で穴埋めをするという状況は、いつか是正していかなければならないし、今回の危機は、そのチャンスになるということです。是正のプロセスは確実に始まっています。住宅価格上昇をあてにしたローンやクレジットに依存した過剰な消費がしぼんでいます。しかししぼむだけだと世界経済は回復しません。米国の市場が少し小さくなる分を日本や中国その他の国が内需を拡大することで埋め合わせていかなければなりません。そしてそういう問題意識はいまや広く共有されています。

  また、経済全体は厳しくても、将来の発展のための投資や研究は続いています。特に日本では、環境関連の技術開発や投資が活発に行われています。1970年代の公害問題や石油危機への対応以降の長年にわたる日本の経験(失敗も含めて)と努力は、その優れた技術力・ものづくりの力と相俟って、これからの世界でおおいに活かされていくべきです。そこに日米両国が協力し、世界に貢献できる一つの重要な可能性があると思います。特に、優れた先進的企業が集積しているカリフォルニアには、「グリーン」で次の世界経済を引っ張っていく潜在力があります。

  総領事館では、これまで以上に、環境面での日本の売り込みと環境ビジネス支援に努力していきたいと考えています。1月26日には総領事館も参画して、州政府や環境関連企業、投資家が一堂に会するイベント(Green Marketmakers Conference)が当地で予定されています。こういった機会を有効に活用して、日本企業にも大いに関心を持っていただき、日本の環境技術のショーケースとなるような投資が実現すれば、大変明るいニュースになるのではないでしょうか。


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